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虫歯/歯周病

虫歯でなぜ歯に穴があくのですか?


「虫歯」.....「虫」といっても細菌であり、この細菌による硬組織の破壊を齲蝕(ウショク)といいます。

1.口腔内の細菌が、食物に含まれている糖や炭水化物をもとに有機酸をつくります。

2.つくられた有機酸が歯の硬組織を分解します。(カルシウムイオンとリン酸イオン)

3.この繰り返し(1〜2)で徐々に歯の組織が分解され、穴が大きくなっていきます。 

細菌はどこから来て、どこにいるのですか?


子供の時の母親からの口移しで移ると言われれ、微量でも条件が整えば簡単に増殖を続けます。

細菌(S.mutans)は、糖から不溶性グルカン(水に溶けにくい糖)をつくり歯の表面に付着します。そして、細菌同士とも付着しながら、プラーク(歯垢)という約80%が細菌の塊を形成します。プラークはくぼんでいる場所や、歯と歯の間、歯と歯肉の間にたまりやすく、細菌はここで増殖を繰り返すとともに、歯を分解していくことになります。



治さず放置すると.....


増殖した細菌によって歯が溶かされ、崩壊していきます。

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歯がしみる


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治療前 治療中(感染歯質あり) 治療後

歯に穴があいていたり、削れていると、飲食時にしみることがあります。

写真の場合は、銀色の詰め物の横が欠け、冷水痛が認められます。

歯が痛い


歯の中に、神経、動脈、静脈が網目状にあり、細菌の毒素、熱い(冷たい)飲み物などの刺激が歯髄に伝わった時に、痛さとして感じます。
また、歯の根の病気などの場合も、痛みとして感じます。

歯の痛みを放置すると.....


歯の中の組織が化膿し、拍動痛へ変化します。
そうなってしまうと歯の根の治療をして、化膿物などを除去しなければなりません。
根の中の洗浄と消毒を数回します。

神経の除去


完全に神経が死んでしまった場合は、麻酔をする必要がありませんが、治療時の振動などで痛みを感じることが多いので、ほとんどの場合、麻酔をして神経を完全に除去します。
激痛で、他医院から転院し、当医院で治療した症例。
CTを撮影して治療したそうですが、神経を1つ(歯の中の赤い点)しか除去していません。
この歯の場合、神経が入っている管は3つあるので、ここで治療を終わらすと、当然、痛みが増悪します.....。
十分に治療時間の枠をとり、歯の底部を少しずつ削りながら神経の管の入口を探します。
針が示している場所が、神経の管の入口です。
最後の神経の管の入口は、中央より少し上にあります。
このように、3つあった神経の管から神経を完全に除去した後、消毒をすることによって、痛みが消失します。

神経の管の密封


根の先端まで密閉します。
中央の上から下まで、白く見えるものが、根を密封する薬です。
適度なテーパーで、先端まで届いています。




歯周病の進行


歯周病とは、歯と歯肉が付着している部分の結合が弱くなり、広がったポケット状の部分に細菌が侵入し、歯を支えている組織を壊していく病気です。
この病気は、治療しない限り、その歯が抜け落ちるまで続き、歯肉から出血、口臭なども併発するいやな病気です。


正常な歯周組織

歯(エナメル質)と歯肉がしっかりと結合して、細菌などの侵入を防止しています。
歯(セメント質)と骨(顎骨)を結んでいる線維も正常です。
骨(顎骨)も正常です。
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歯肉炎

付着した汚れから歯垢、歯石になり、そこから発生する毒素により、歯肉に炎症が見られます。
進行とともに、顎骨の吸収が始まります。
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歯周炎

炎症が広範囲に拡大し、歯(セメント質)と骨(顎骨)を結んでいる線維は消失。
歯との骨の結合力が失われ、グラグラします。
歯を失う可能性が高い状態です。
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歯周炎の悪化


最近は、再生医療などの治療もありますが、患者様自身の管理で、歯垢、歯石の付着を、ほぼ「0」にコントロールした上での治療になります。
毎日の手入れを怠った場合は、残念ながら、抜歯になります。

写真は、手遅れの末期状態で抜歯した歯です。
(黒い付着物が歯石、黄土色の付着物が歯垢、周囲に炎症した歯肉。)
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歯の周りが痛い(小児)


治療前 治療後

小児の場合でも、歯ブラシを噛むことなどにより、細菌を歯肉に押し込み、歯の周りが化膿することがあります。
歯の生え変わり時期などに、見られることが多く、一時的な症状です。

写真は、麻酔注射を怖がったため、気が紛れるように会話をしながら無麻酔下で排膿を行う治療を行い、拍動痛は消失しました。